どんな時でも確実にピントを合わせる!

その気概がとっても大切です!!!

前回の「バチっと瞳にピントを合わせる技」から少し発展した記事になります。

前回の記事で、”狙ったところにピントを合わせる”という技術は十分会得できるのではないかと思います。

しかし沢山撮影を重ねていくと、なかなか簡単にはいかない事もでてくるんです。ただ単に暗い状況下であるという場合以外にもたくさん。

例えば、コスプレ撮影において、とくに男装を撮る時に
「これピントどうすんの。。。?」
と困ってしまう場合があります。

筆者のケースをお話しすると

刀剣乱舞という作品を撮る時に、衣装をバサッとさせてカッコいい動きのあるシーンを撮影する事がよくあります。
刀剣乱舞の撮影写真例

刀剣乱舞の撮影写真例

完成した写真だけ見ると簡単そうに見えるかもしれませんが、実際にはレイヤーさんにクルッと回転してもらったり、ジャンプしてもらったりと、かなり動いてもらっています。

ポーズを決めてから静止して、衣装だけを手でバサッとしたりする場合もあるんですけど、体は動いていないので、実際に動いている時の筋肉の使い方とか腰の落とし方とか、膝の入り方とか、リアルさが全く違ってきます。

というか、リアルさだけじゃなくかっこよさが全然違います!

というところで実際に動いてもらうようにしているんですけど、何も考えず撮ろうとするとひとつ問題が出てきます。

そう、被写体が動いてその場から少し移動するので、動く前に合わせていたはずのピントがずれてしまうんです。
動きが止まっていればピントは合わせられる。けどかっこよさを求めて実際に動いてもらうとピントがなかなか合わない。

頭を抱えてしまう問題ですよね。

じゃあ実際筆者はどうやってこういう動きのある写真でピントを合わせているのか?というところをお伝えしていきます。

まず方法として考えられる事。

・いわゆる置きピンで撮影する
・カメラのAFモードをAF-Cにする

大きく2つの方法があるかと思います。
順を追って説明していきます

カメラのAFは万能ではない!

やり方を説明する前にまず前提として、筆者はカメラのAF機能に全幅の信頼を寄せてはいません!笑

カメラの性能によってもかなり左右される部分ではあるのですが、どんなに良いカメラでも、信頼して任せっきりにしていると必ず裏切られるケースが出てくるんです。

自分の判断ミス等でピントが合っていないのならば、ただただ悔しいだけだし改善しようと思えるので良いのですが、カメラに任せておけばピントはバッチリ合っている!と思っていたのに、実際パソコンで見返した時に盛大に外れていると、やり場のない悔しさが込み上げてきます。

残念ながらカメラは万能ではありません!!

「指定の場所にピント合わせたよ!大丈夫だよ!」
ってカメラが判断してても、それが間違ってる場合も往々にしてある。

そう肝に命じておくだけでピントに対する意識は変わります。

以上を踏まえて、筆者はファインダーを除きながらピントが合ってると自分が判断できるまで、何度もAFを作動させます。そして、それでも外れてる可能性を考えて、シャッターを何度も切ります。

AF、AF、AF、よし!カシャ
AF、AF、AF、よし!カシャ

この繰り返しです

あと1つまだ説明していない事があるのですが、AFを作動させる時、筆者はシャッターボタンの半押し機能を使いません。この機能って実はカスタマイズできるんです。

カメラボディの背面に並ぶボタンを見ると「AF」と書いてあるボタンはありませんか?
AFボタン

AFボタン

実はこのボタンを押してもAFは作動します。
そしてシャッター半押しの機能をOFFにする。
何が目的かと言うと「意図していないAFの誤動作防止」です。

普通は人差し指をシャッターボタンにおいて、半押しでAF作動させてそのままボタンを押し込んでシャッターを切りますよね。半押しの状態のままならピントの合った状態でキープできます。そこから少し構図を微調整したり、シャッターを押すタイミングを待ったりするんですけど、この半押しの状態の維持が意外と鬱陶しいんです。(筆者の個人的意見です)

半押しのまま維持しよとしていると、うっかり指を離してしまったり、誤ってシャッターを押してしまう事があります。一度指が離れるとシャッターボタンにまた触れ直さなければならない為、またAFが作動してしまいます。
ただし、半押しせずにそのまま押し込めばAFを作動させずにシャッターを切る事もできますが、そでもたまにAFが作動してしまいピントが違うところに合ってしまうというケースがあります。

この誤動作を完全になくす為に、シャッターボタンでのAFをオフにしています。
撮影のリズムってすごく大事なので、こういう細かい所にはすごく気を使います。

やってみるとわかりますが、親指でAF作動させてホールドするのってすごく楽なんです。これは言葉で説明するよりもまずやってみてください!

というところでやっと本題です。

動き物は置きピンで撮る!

2つの方法があると紹介しましたが、筆者がずっとやってきた方法は「置きピン」というやり方です。

簡単に言うと、被写体にバッと回転してもらいます。そして、最終的にポーズが決まるところにピントを合わせておいて、「せーの!」とか「1、2の3」などの掛け声で実際に回転してもらい「ここ!」と思ったところでシャッターを切る!これだけです。

容易に想像できると思いますが、これはカメラ側が頑張れば良いという物ではありません。
レイヤーさんには、一度ピントを合わせた終着点をめがけて軸をぶらさないように回転してもらう必要がありますし、もちろん失敗もするので何度も何度もトライしなければなりません。
衣装がバサッとなった写真

衣装がバサッとなった写真


衣装をかっこよくバサッとさせるには、どうしてもダイナミックに動いてもらう必要があります。
ここに遠慮とか思い切りの良さがなくなると、止まったまま衣装をバサっとするのとそんなに大差なくなってしまいます。
ピントの事は心配いらないからとにかく思い切って動いて!という気概で挑みましょう。
これがかっこいい写真を撮るコツです。

AF-Cモードでカメラに任せる方法

そしてもう一つの方法として「AF-Cモードで撮る」という方法があります。

簡単に言えば、完全にカメラの判断にまかせてフォーカスを動かしてもらう方法です。
AF-CモードのCはコンティニュアスという略で”連続した”などの意味があります。

一度ピントを合わせたところを追いかけて合わせ続けてくれます。
主にスポーツとか、被写体が動く時とかに使われている事が多いかと思います。

ただしAF-Cの時はシングルカーソルでピンポイントで指定するようなモードだと難しくなります。
カーソルで指定した場所のピントを追い続けるので、被写体がカーソルから外れるとその先にある物にピントを合わせようとしてしまいます。なので、動くのに合わせてカメラも動かさなければならなくなってしまうのです。

これはいわゆる流し撮りのような状態になるかと思います。

AF-Cで動体を撮る時は、画面全体で被写体を追いかけてくれるようなモードや広めのエリア指定できるモードが良いでしょう。

昔はこのコンティニュアスモードも大して使い物にならなかったようですが、昨今の技術の進歩で精度はかなり上がってきているようです。
なので、フルサイズの最新機種などをお持ちなら、難しい事は考えずに割り切って「AF-C」で撮るのも良いかもしれません。

筆者も色々と試していますが、AF-Cモードは今回のような特殊な撮影のケースだとやっぱりまだまだ被写体を捉えるまで迷いがあったり、うまく追いかけてくれない事があるので先に説明した「置きピン」の撮影を徹底しています。

あくまでも一例なので参考までに

前回の記事でもお伝えしましたが、これはあくまでも筆者が経験から実践している事であり、正解はありません。
人それぞれに正解があり、やり方は様々です。

ピントを外してしまう事をカメラのせいにしていては、いつまでも自分自身の技術向上には繋がりません
原理がわかっていれば応用もできる。撮り手の考えや工夫次第で、どんな時でも確実にピントを合わせていく事はできます。

ピントの面はカメラの中心にあるセンサーと平行して伸びていきます。
これを意識しておくと、ピントの面がどの辺まであるのかも想像しやすくなります。

F値による被写界深度など色々要素はありますが、”ピント面は平行”という事実は常に変わりません。
いつでもピント面はペラペラの紙しかないと想像し、ハードモードで撮影に挑むといい結果になります。

とまぁ、これくらいピントに気をつけていても、ことごとく外してしまう事もあるので。。。笑

かっこいい瞬間をしっかり捉える為にも、ピントの心配はなくしておきましょう!!

ご精読ありがとう御座いました。

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